【8月7日 AFP】ブラジル政府は6日、1年未満に2度の航空機事故が発生するなど危機的状況にある航空システムの改善に向け、1億8400万ドル(約218億円)を投じて空港の安全性向上および設備改良に着手すると発表した。

 対象となるのはリオデジャネイロ(Rio de Janeiro)、ブラジリア(Brasilia)、サルバドル(Salvador)の各空港、およびサンパウロのグアルリョス(Guarulhos)国際空港など主要空港8か所で、7月17日に航空機が滑走路でオーバーランを起こし空港脇の道路を横切って倉庫に激突、炎上して199人が死亡する事故が起きたサンパウロ(Sao Paulo)のコンゴニャス(Congonhas)空港も含まれる。ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ(Luiz Inacio Lula Da Silva)大統領は3日、今回の資金拠出を承認。

■危機にひんするブラジルの航空システム

 過去1年間、ブラジルの航空網の危険性が指摘されていた。コンゴニャス空港の事故に先立つ2006年9月29日には、アマゾン(Amazon)川沿いのジャングル上空でGOL航空(Gol Transportes Aereos)航空機と小型自家用ジェット機が衝突、ジェット機は着陸に成功したが、GOL航空機は墜落し乗員乗客154人が死亡した。

 相次ぐ事故に加え、雇用条件をめぐる航空管制官らのストライキの頻発や管制塔機器の故障で、運行に支障が生じていた。

■航空関係人事も刷新

 3日、国営空港管理公社インフラエロ(INFRAERO)の社長に元航空宇宙局長官のSergio Gaudenzi氏が就任した。Gaudenzi氏は、航空安全を管轄するネウソン・ジョビン(Nelson Jobim)新国防相の要請で辞任したペレイラ(Jose Carlos Pereira)氏の後任となる。

 就任に先立ち、Gaudenzi氏は「乗客が安全で平穏に空港を利用できるよう改善に努める」と述べ、「空港の一利用者として、空港のサービスには満足していない。だからサービス改善のために取り組んでいかなければならない」と決意を示した。(c)AFP