【8月2日 AFP】中東歴訪中のコンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)米国務長官は1日、アラブ諸国やイスラエルを訪問した。

 中東和平実現に向けた好機をつかむことを目的に歴訪を続けるライス長官は、イスラエルの首都エルサレム(Jerusalem)で同国のツィピ・リブニ(Tzipi Livni)外相と共同記者会見を行い、「今がチャンスだ。チャンスをものにすべきときが訪れた」と述べた。

 一方のリブニ外相も、ライス長官と同様に「今が重要な時期。パレスチナには、国際社会の要請を満たす自治政府が存在している。イスラエルは、マフムード・アッバス(Mahmud Abbas)議長やパレスチナ自治政府との対話を進める機会を逃さない」と語った。

 だが、リブニ外相は、和平に向けた努力の過程では「双方の最大公約数を探る」必要があると警告。さらに「最も繊細な問題を先に議論するのは賢い考えではない」語り、エルサレムの地位やパレスチナ難民の帰還といったイスラエル・パレスチナ間の「最終的地位」に関する「最も繊細な」問題に間接的に言及した。

 パレスチナはこれらの問題について協議の開始を望んでいるが、イスラエルは「パレスチナは先に、イスラエルに対して攻撃を仕掛ける武装勢力を制圧する必要がある」と主張し、最終的地位をめぐる協議を拒絶してきた。

 ライス長官は2日、パレスチナ自治区のヨルダン川西岸(West Bank)を訪れ、米政府の支援を受けるアッバス議長やサラム・ファイヤド(Salam Fayyad)首相と会談する予定。

 イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)がガザ地区(Gaza Strip)を武力制圧した6月15日以降、イスラエルと米国はアッバス議長に対する支持強化に努めてきた。

 一方、ライス長官とともに中東歴訪を開始したロバート・ゲーツ(Robert Gates)米国防長官は1日、3か国目の訪問国となるクウェートに到着、同国のナセル・ムハンマド・アハマド・サバハ(Sheikh Nasser Mohammed al-Ahmed al-Sabah)首相らとの会談が予定されている。

 クウェートは、イラクへ出入りする米軍部隊にとって最も重要な後方の集結地で、イラク駐留米軍が大規模な撤退を実施する場合には、大部分がクウェートを経由すると見られる。米国防省高官によると、ゲーツ長官はクウェート滞在中、米・クウェート間の安全保障援助の強化や拡大について協議する予定だという。(c)AFP