【7月30日 AFP】アフガニスタンで韓国人グループが拉致され1人が殺害された事件で、拘束されている1人が韓国紙・中央日報(JoongAng Ilbo)との電話インタビューで、人質22人がいくつかの小グループに分けられ、頻繁に移動を繰り返していることを明らかにした。

 同紙によると、インタビューは29日、イスラム原理主義組織タリバン(Taliban)の監視下で行われた。電話取材に応じたイ・ジヨン(Lee Ji-Young)さんは、「心配をかけて申し訳ない」と謝罪。現在、イさんを含む4人が一か所に拘束されており、ほかの人質の安否は不明だと話した。

「移動は1日1回のことも、2、3日に一回のこともあり、民家に拘束されている」とし、待遇については特に脅されることはないが、顔や体を洗えないので少し不便だ」と説明。家族に向けて、「あまり心配しないでほしい」と語っている。

 イさんは2006年末からアフガニスタンに滞在し、子どもたちにコンピューターの使い方を教えたり医療活動支援を行ったりしてきたという。今回拉致されたグループでは、ガイド兼通訳を担当していた。

 タリバンは先に、アフガニスタン当局の救出活動を阻止するため、人質を小グループに分けて3つの異なる州で拘束していると述べていた。

 また29日には、30日正午(日本時間同日午後4時)までに要求が受け入れられなければ、人質数人を殺害すると発表している。

 韓国メディアは、宋旻淳(ソン・ミンスン、Song Min-soon)韓国外交通商相が28日、コンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)米国務長官と会談し、人質解放に向け支援を要請したと報じた。

 殺害されたペ・ヒョンギュ(Bae Hyung-Kyu)牧師の遺体は、輸送機の準備ができ次第、本国に搬送される予定。ぺ牧師の家族は、人質全員が解放されるまで葬儀は行わないと話している。(c)AFP