【7月29日 AFP】第21回参議院選挙の投票が全国各地で始まった。年金や閣僚らの相次ぐ不祥事が問題となるなか、1億500万人近くの有権者が、安倍晋三(Shinzo Abe)政権に審判を下す。投票は午前7時から夜8時まで行われ、投票終了直後には報道各社による出口調査の結果が明らかになる。

 今回の選挙は、憲法改正など戦後体制からの脱却を掲げる安倍政権にとって初めての大型国政選挙となる。

 小泉純一郎(Junichiro Koizumi)前首相から10か月前に引き継いで発足した安倍政権の支持率は、閣僚らによる不明瞭な事務所費計上問題や失言により、政権発足から閣僚2人が辞任、1人が自殺したことなどで、これまで下降を続けてきた。

 世論調査によると、年金が長期間にわたり適正に管理・運用されなかったことに対して有権者が怒りを感じているとされ、高齢化が急速に進むなか、年金問題への有権者の関心は高い。

 衆議院では自民・公明党による連立与党が絶対安定多数を占めるため、今回の参院選で自公が敗れても、連立政権の維持が不可能になることはない。

 一方で、過去に参院選で与党が惨敗した場合、首相が辞任していることも事実だが、安倍首相の側近とされる議員らは首相が辞任することはないと主張している。

 選挙前の世論調査では、参院での与野党逆転の可能性が示唆されている。(c)AFP