【7月26日 AFP】 韓国の警察当局は26日、民間教育機関に勤める教職員13人に対し、不正に学位を取得した容疑で事情聴取を行っていると発表した。

 事情聴取を受けているのは、ソウル南方220キロの大邱(Daegu)市に住む13人の教職員で、インターネット上で学位偽造ブローカーから偽の学位を買った疑いが持たれている。

 韓国警察庁は取材に対して、「ソウルを含む複数の都市で、民間教育機関の教職員らの資格について調査中だ」と答えた。事件は数千人単位の問題に拡大する恐れもある。

 学位の不正取得に関する捜査は、7月上旬、韓国最大の現代美術祭「光州ビエンナーレ(Gwangju Biennale)」のディレクターを務めるシン・ジョンア(Shin Jeong-Ah)氏が、米国で取得したとしていた学位が偽物だったことが発覚したことが発端となった。

 1週間後、人気英語学習ラジオ番組の司会者が英国で取得したとしていた学位が、やはり偽物だったことがわかり、再び韓国国民を驚かせた。

 引き続き、学位偽造ブローカーらが学位証明書1件あたり150万ウォン(約20万円)でインターネット上で販売しているとの報告をうけ、警察が捜査を開始。捜査対象は民間教育機関の教職員約3000人にまで及びつつある。

 英会話教師が不足する一方で丸暗記学習法に頼るなど、韓国の教育制度は国民の需要を満たしておらず、せっぱ詰まった学生らが高額で家庭教師を依頼したり履修科目の多い私立校や塾に通うなどの状況を生み出している。(c)AFP