【7月3日 AFP】中国南部重慶(Chongqing)の西陽(Youyang)トゥチャ族ミャオ族自治県で前週、中学生の刺殺事件を機に抗議デモが発生、暴徒化した市民数千人らが車両を破壊するなどし、警察隊と衝突する事態に発展していたことがわかった。香港を拠点とする人権団体「中国人権民主化運動情報センター(Information Centre for Human Rights and Democracy)」が2日、明らかにした。

 これによると、暴動があったのは前月28日で、きっかけはある中学生男子生徒の刺殺事件だった。

 この男子生徒は他の生徒と口論になり刺された。男子生徒の両親は学校側が病院にすぐに搬送しなかったことから息子が死に至ったと主張。学校側の姿勢を不服として警察に届け出たところ、逆に警察に拘留されてしまった。親戚や他の生徒の両親らがこれに抗議し、地元政府庁舎に向けてデモ行進を行った。その数は1万人にも膨れ上がったという。

 デモ隊鎮圧のため武装警察官200人が投入され、抗議運動は28日夜には沈静化したという。

 地元政府報道官は、暴動化したデモの事実は認め、数人が逮捕されたと発表。一方、暴動規模についてはそれほど大きなものではなかったとしている。

 地元の政府紙Youyang Dailyは、この両親は拘留されたのではなく、事件の扱いについて政府庁舎で協議していただけだと報じている。(c)AFP