【6月25日 AFP】バラやレモンに似た香りのするトマトを遺伝子組み換え技術で開発したと、イスラエルの研究チームが24日、米科学誌ネイチャー・バイオテクノロジー(Nature Biotechnology)の電子版で発表した。

 農業研究機関「Newe Yaar Research Centre」のEfraim Lewinsohn氏率いる研究チームは、レモンバジルの「ゲラニオール」合成酵素遺伝子と料理に使われるハーブ類の遺伝子をトマトに組み込んだ。

 82人に普通のトマトと比べてもらったところ、ほぼ全員が「香水」「バラ」「ゼラニウム」「レモングラス」など、トマト以外の香りがしたと回答。味については、遺伝子操作されたトマトの方が好きと答えた人が49人で、普通のトマトの29人を大幅に上回った。ただ、健康に良い抗酸化作用がある赤い色素「リコピン」は普通のトマトの約半分しか含まれておらず、赤みは薄い。

 一方で、殺虫・抗菌作用がある揮発性テルペノイドが高濃度で含まれているため、日持ちがすると同時に農薬も少量で済む可能性があるという。

 研究チームによると、カロチノイドを生成する他の作物や花も、遺伝子組み換えにより香りや色を変えることができるという。(c)AFP