【6月22日 AFP】米ロ首脳会談を来月にひかえ、元国家安全保障担当大統領補佐官のズビグニュー・ブレジンスキー(Zbigniew Brzezinski)氏とブレント・スコークロフト(Brent Scowcroft)氏は21日、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は「政治的演出」をやめて米ロ関係改善を「真剣に」検討すべきだと発言した。

 両氏はこの日、ロシアに関する上院外交委員会に出席し、米国のミサイル防衛システムの東欧配備の発表を機に緊張が高まっている米ロ関係について、緊張緩和には現実的な協議が必要であると強調した。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領との米ロ首脳会談は、7月1、2の両日にメイン(Maine)州ケネバンクポート(Kennebunkport)のブッシュ大統領の別荘で開催され、米ミサイル防衛システムの配備計画、コソボ(Kosovo)の最終地位問題、核開発の協力などについて協議される予定。

 現大統領の父であるジョージ・ブッシュ(George Bush)元米大統領の下で国家安全保障担当大統領補佐官をつとめたスコークロフト氏は、「ケネバンクポートは、とても雰囲気がいい場所。協議にも好影響を与えるとよいが、道のりは長い。忍耐、理解、そして断固とした態度が米国側には必要だ」と述べた。

 また、ジミー・カーター(Jimmy Carter)政権の国家安全保障担当大統領補佐官をつとめたブレジンスキー氏は、「ブッシュ大統領は、ミハイル・ゴルバチョフ(Mikhail Gorbachev)元露大統領と現実的に協議しつつ友好関係を築いた父親(=ブッシュ元米大統領)に見習うべき。政治的演出は、幻想ではなく、戦略的な関係をもたらすべきものだ」と語った。また「新たな冷戦に突入したとは思わないが、ロシアの社会変革の影響もあり、『冷えきった平和』の状態だ」との見解を示した。(c)AFP