【6月20日 AFP】英国最大の競馬レース「ロイヤルアスコット(Royal Ascot)」が19日に開幕し、鮮やかなピンク色の帽子姿のエリザベス女王(Queen Elizabeth II)を筆頭に、英国上流階級の人々が競馬観戦を楽しんだ。

 この日、ロンドン西部のアスコットでは、エリザベス女王とフィリップ殿下(Prince Philip)、アン王女(Princess Anne)、アンドルー王子(Prince Andrew)、チャールズ皇太子(Prince Charles)とカミラ(Camilla)夫人ら、英国王室メンバーを乗せ競馬場に向かう四輪馬車が見られた。

 5日間にわたり行われるロイヤルアスコットは、毎日8万人近くが観戦する、英国王室行事の中のハイライトだ。

 アスコット競馬場は2億ポンド(約490億円)をかけて改修。工事中は、レースは北部ヨーク(York)の競馬場で開催された。改修工事が完了した2006年から再び、アスコットでのレースが再開した。

 この他にも、同競馬場は、芝の土手がレースの眺めを遮るとの苦情にこたえ、さらに1000万ポンド(約24億5000万円)をかけて改修工事を行ったが、こちらは今年度のレース開催までに工事を終えた。また、新たに設けられた野外ステージでは、恒例となっているレース前の合唱が行われる予定だ。

 ロイヤルアスコットで目を引くのは、何と言っても貴賓席の女性の風変わりな帽子だが、実は貴賓席のドレスコードはかなり厳格だ。男性は、モーニングスーツにシルクハットの着用が義務づけられている。

 女性のドレスコードは「フォーマルな場にふさわしい装い」とされている。つまり、必ず帽子を着用し(かなり突飛なものも見受けられるが)、肩の出るドレスは不可という意味で、お腹の見えるドレスなどは論外だ。

 ドレスコードがあるのは、貴賓席の客だけではない。54ポンド(約1万3000円)の一般席の観戦者にも、適切な服装が求められる。「ジーンズや短パンなどのスポーツウェアは不可」となっている。

 一方、アスコット競馬場の規則には、時代遅れな面があるのも否めない。1955年まで、離婚経験者の入場は認められていなかった。

 5日間の日程で行われる「ロイヤルアスコット」は、23日に閉幕する。(c)AFP/Adrian Dennis