6月6日 AFP】反グローバリズムと貧困撲滅を訴えるNGO(非政府組織)が、アフリカ・マリ南部の町シカソ(Sikasso)で4日から「African Development Coalition(アフリカ開発同盟)」会議が開催されている。

■途上国自体が主体となる国際協力を協議

 ドイツの主要国首脳会議(G8)に対抗して同時期に開催されたもので、1週間の日程で行なわれる。会議では、アフリカの債務問題、食の安全保障、移民問題などの議題とともに、世界銀行(World Bank)に代わる、途上国のための国際的な金融機関の設立についても協議される。

 約60のNGOを傘下に擁するマリの組織「African Coalition for Debt and Development(負債問題と開発のためのアフリカ同盟)」のBarry Aminata Toure議長は、「会議は、農民や、新自由主義の犠牲になっている住民ためのもの」と、反G8の意義を強調した。

 また、同会議の広報官は、「G8は欺瞞の代名詞。先進国は約束を守らない。発展途上国の運命は、発展途上国が決める必要がある」とG8を批判した。

■G8での合意の履行に対する不信感

 2005年、英国のグレンイーグルス(Gleneagles)で開催されたG8サミットでは、世界の最貧国18か国の債務を帳消しにするとともに、2010年までに発展途上国への援助を年間で500億ドル(約6兆700億円)増額することが合意された。そのうち半分がアフリカ向けであった。

 債務帳消しの公約は守られたが、援助増額の履行は、現在、実行が危ぶまれている。これに対して、マリのアマドゥ・トゥマニ・トゥーレ(Amadou Toumani Toure)大統領は今週始め、「G8は援助の約束を破ろうとしている」と非難していた。

 会議には、ベナン、ギニア、コートジボワール、マリ、ニジェール、セネガルなどのアフリカ各国及び欧州のNGOなどから、約1000人が参加している。(c)AFP