【5月31日 AFP】元ビートルズ(The Beatles)のジョン・レノン(John Lennon)愛用のピアノが30日、37万5000ドル(約4500万円)で売りに出されていることが明らかになった。このピアノはニューヨークのレコーディングスタジオ、レコード・プラント・スタジオ(Record Plant Studios)が所有していたもので、1980年にジョン・レノンが殺害される数時間前まで弾いていたとされる。

 販売元のMoments In Time社によると、ジョン・レノンはこのピアノのノスタルジックな音を愛し、使用していた2つのスタジオのどちらでも弾けるように移動していたという。さらには、悪夢となった1980年12月8日の凶弾に倒れる直前にもこのピアノを演奏していたとしている。

 ジョン・レノンが愛用したピアノは、レコード・プラント・スタジオで当時音響エンジニアをしていたJack Douglasさんによる資料が備えられている。Douglasさんの証言で、このピアノはボブ・ディラン(Bob Dylan)を始め英国のロックバンド、ザ・フー(The Who)のピート・タウンゼント(Pete Townshend)や『アメリカン・パイ(American Pie)』で知られるドン・マクリーン(Don McLean)も使用していたことが明らかになった。

 現在の所有者Moments In Time社は、20年以上前に同スタジオが閉鎖された時にオークションでこのピアノを購入。Moments In Time社のGary Zimet会長は「今のところ個人のクライアントが興味を示している」と語った。

 Moments In Time社はさらに、ジョン・レノンを射殺する数時間前に犯人のマーク・デヴィッド・チャップマン(Mark David Chapman)がジョン本人から貰ったサインが書いてあるアルバム『ダブル・ファンタジー(Double Fantasy)』を60万ドル(約7300万円)で売りに出している。

■平和のために活用されるジョン・レノンのピアノ

 2000年に『イマジン(Imagine)』が作曲されたピアノを当時の210万ドル(約3億円)で購入した人気デュオ、ワム!(Wham!)の元メンバーでポップ歌手のジョージ・マイケル(George Michael)は、そのピアノを4月にバージニア州のバージニア工科大学(Virginia Tech University)で起きた銃乱射事件の被害者に寄贈した。(c)AFP