【5月31日 AFP】ポツダム(Potsdam)で開催されていた主要国(G8)首脳会議に向けた外相会合は30日、米国のミサイル防衛システムの東欧への配備をめぐり、同国とロシアが対立、不本意な形で閉幕した。

 6月6日に予定されているG8首脳会議に向けた議題を捻出するための今回の外相会合で、セルゲイ・ラブロフ(Sergei Lavrov)露外相とコンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)米国務長官は、米国が計画するミサイル防衛システムの東欧配備について厳しい言葉を交わした。

 両者ともにウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)露大統領の訪米、およびブッシュ大統領との直接会談についての発表には歓迎の意向を示したが、サイル防衛システムに対するロシア側の懸念を「ばかげている」とした前日のライス長官による発言に対し、ラブロフ外相は怒りの反応を示した。

 両者はまた、国連安全保障理事会(UN Security Council)は国際社会の監視下で、コソボ(Kosovo)自治州のセルビアからの独立を認めるべきであるとするマルッティ・アハティサーリ(Martti Ahtisaari)国連事務総長特使の提案についても激しい対立を示した。

 同自治州の最終地位に関する国連の決議案に対しラブロフ外相は、「ロシア政府が拒否権を行使しなければならない状況に陥らないことを望む」と述べ、長年のセルビアの同盟国であるロシアがアハティサーリ特使の提案には完全に反対であるとする同国の立場を改めて明確にした。(c)AFP/Guy Jackson