【5月28日 AFP】中国南部広西チワン族自治区(Guangxi province)で、「1人っ子政策」違反の取り締まりで不正利得を得るなど腐敗しきった地方政府に対する地元住民の怒りはおさまるところを知らない。地元住民と人権活動家が語った。

 「一人っ子政策」に違反すると見られる家庭に地方政府が過酷な取締りを行った中国南部広西チワン族自治区博白(Bobai)県では、10日前から住民による暴動が続いていた。

 政府職員が引き上げ、当局が不祥事があった可能性を認めたことから、町も多少の落ち着きを取り戻した。

 「地元政府の役人は腐敗しきっている。一般の住民のことなど何も考えていない。お金のことしか頭にない」と語るのは、5月19日に暴動が起こった地区の1つShapiに住むYuanという女性。

 3月からこの地域の町と村に電気ショックを与えるこん棒と大きなハンマーを振り回す軍服を着た政府職員が現れた。複数の子どもがいるとみられる家庭には罰金を課し、罰金を払えない家庭で略奪を働いたとYuanさんをはじめとする多数の住民が証言した。

 5000元(約8万円)だった2人目の子どもに対する罰金は、この地域の農村部の年収の4倍を超える1万2000元(約20万円)に上げられた。

 地方政府の取締チームは、罰金を支払えなかった家庭の財産を没収あるいは破壊したが、その記録をとっていないという。

 地元住民からは、「出産が認められない子どもを妊娠した女性を地方政府が拘束して強制的に堕胎させた」「法律違反をした出産適齢期の男女に強制的に不妊手術を受けさせた」など驚くべき証言も得られた。

 「役人は家族計画政策をどう実施してよいか分かっていない。昔からそうだった。それでこんなに残酷で非人道的な手段に訴えた」とYuanさん。

 世界で最も多い13億人の人口を持つ中国では、1970年代末に家族計画政策が始まった。一般的に都市部では子どもを1人だけ、農村部では第1子が女児だった場合に限り2人の子どもを持つことが認められている。(c)AFP