【東京 10日 AFP】公安調査庁は10日、オウム真理教アーレフに改称)の元信者らによる新団体「ひかりの輪」(上祐史浩代表)など全国の関連施設に対し、団体規制法に基づく立ち入り検査を行った。

 今週始めに新団体が設立されて以来初の検査で、オウム真理教の施設を含む全国10か所以上が対象とされた。テレビでは東京・世田谷区の「ひかりの輪」本部へ入る公安調査官らが映し出された。時事通信は調査官約20人が動員されたと報じたが、同庁では詳細を発表していない。

 1995年に東京で死者12人、負傷者数千人を出した地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教で、松本智津夫(教祖名・麻原彰晃)死刑囚(当時代表)の下、上祐氏は広報を担当。改称後の同教団から今年3月、信者65人と共に脱退する決意に至った。

 しかし、前月発表された報告書で当局は、同氏と65人の脱会は見せかけ上の動きであると警戒している。

 写真は2003年4月10日、ロシアを訪問中、モスクワのシェレメチェボ(Sheremetyevo)空港で報道陣に囲まれる当時オウム真理教広報担当だった上祐史浩氏。(c)AFP/ALEXANDER NEMENOV