【ロンドン 10日 AFP】トニー・ブレア(Tony Blair)英首相の任期10年の軌跡。

1997年 
5月2日 総選挙で労働党(Labour Party)が179議席を獲得し、圧勝。ブレア党首が1812年以来、最年少の43歳で首相に就任した。

5月6日 イングランド銀行(中央銀行)に、政策金利設定の責任を付与。

8月31日 ダイアナ元皇太子妃(Princess Diana)の事故死に際し、ブレア首相が元妃を「people’s princess(国民のプリンセス)」と呼び、王室をリードする形で葬儀などの手続きを進めた。

1998年
4月10日 北アイルランド包括和平合意(通称「聖金曜日和平合意」、Good Friday Agreement)。プロテスタント、カトリック両派が閣僚ポストを分け合う自治政府の設置、過激派組織の武装解除、服役中の活動家の釈放などについて、大枠で合意が成立した。

1999年
3月24日 旧ユーゴスラビアのコソボ紛争をめぐり、北大西洋条約機構(NATO)軍のユーゴ連邦空爆に英軍が参加。

5月26日 ウェールズ自治議会、開設。

7月9日 スコットランド自治議会、1707年以来の復活。

2000年
5月20日 ブレア首相に第4子レオくん誕生。現役首相に子どもが誕生するのは150年ぶり。

2001年
6月8日 総選挙で労働党が167議席を獲得し、ブレア首相の2期目が確定。

9月11日 米同時多発テロの発生。ブレア首相がジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領の全面的支持を表明する。

10月7日 イスラム原理主義組織タリバン(Taliban)と国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)掃討を目的とした、米主導のNATO軍によるアフガニスタン空爆に英軍が参加。

2002年
10月14日 英政府が北アイルランドの自治を凍結、直轄統治を再開した。カトリック系シン・フェイン党の関係者が、自治政府庁舎から不正に文書入手が発覚したことによる。

2003年
2月16日 イラク戦争開戦に反対する市民1万人が、ロンドンでデモ行進。英史上最大の抗議行動となった。

3月18日 英議会、英軍のイラク派遣を承認。

3月19日 米軍主導のイラク進攻作戦が開始される。

5月26日 英放送協会(BBC)、イラク攻撃の根拠とされた大量破壊兵器に関する情報を、政府が誇張していたと報じる。

7月17日 BBCの報道の情報源だったデービッド・ケリー(David Kelly)博士が自殺する。

2004年
1月28日 ケリー博士の自殺をめぐる政府調査委員会が、結果を公表した。責任はブレア政権にはないとするとともに、BBCを強く批判する内容。

10月1日 2005年の総選挙に、3期目の出馬を表明し、「首相として最後の選挙」とすると発言。

2005年
5月5日 総選挙実施。労働党が66票の僅差でかろうじて3期目を決める。

7月6日 2012年五輪開催地がロンドンに決定。

7月7日 ロンドンの地下鉄同時テロ発生。4人の自爆テロ犯による犯行で、56人が死亡、700人以上が負傷。

2006年
3月21日 英上院資金融資疑惑で警察が捜査を開始。英上院議員は選挙によらず選出されるが、議席確保を条件に、政党に対する献金が行われたという疑惑が持ち上がった。

9月7日 ブレア首相、1年以内の退陣を表明。イスラエルのレバノン攻撃をめぐる首相の方針に、労働党内の反対派から圧力がかかった。

12月14日 上院資金融資疑惑でブレア首相が警察の聴取を受ける。現役首相が犯罪への関与で聴取されるのは史上初。

2007年
3月29日 北アイルランドの自治復活で英議会から称賛を受ける。

5月1日 権力の移譲をめぐって確執があったゴードン・ブラウン(Gordon Brown)財相を、後継首相に指名すると表明、「素晴らしい指導者になるだろう」と述べる。また、近日中に退陣の日程を明らかにすると確認。

5月10日 退陣発表。

 写真は北アイルランド議会で8日、就任式に立ち会った後のブレア首相。(c)AFP/PAUL FAITH
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