【ホセ/ベネズエラ 2日 AFP】チャベス大統領は1日、オリノコ川流域の重質油地帯で欧米メジャー(国際石油資本)主導で進められている操業プロジェクトを、天然資源国有化政策の一環として国有化することを正式に宣言した。

 ホセ(Jose)にある石油精製施設で行われた国有化記念式典で大統領は、「わが国の天然資源を根本から国有化する」と宣言した。ラファエル・ラミレス(Rafael Ramirez)エネルギー・鉱業相も「大統領は、わが国の石油資源をわが国で完全に管理することを決定した」と述べた。

 式典に参加した石油精製施設の従業員は、赤いヘルメットをかぶり、国旗を打ち振りながら国有化を盛大に祝った。参加した約6000人の中には軍隊も含まれ、スホイ戦闘機のデモ飛行も行われた。

 今後、このプロジェクトは各社との合弁の形で進められるが、国営のベネズエラ石油(Petroleos de Venezuela、PDVSA)が60%以上を出資する。プロジェクトが進めば、ベネズエラ全体の原油生産高の5分の1にあたる日量60万バレル、価格にして250億ドル(約3兆円)分を産出することになる。

 プロジェクトにかかわる仏トタル(Total)、ノルウェーのスタトイル(Statoil)、米シェブロン(Chevron)、米エクソンモービル(Exxon Mobil)、英BP、独ヴェバ(Veba Oel)各社は、すでに国有化に原則合意している。

 オリノコ川流域の原油埋蔵量は世界最大規模とされ、ベネズエラは世界第5位の石油輸出国である。現在、日量309万バレルの生産量のうち、約半分を米国に輸出している。

 写真は1日、バルセロナ(Barcelona)の工業団地で演説するチャベス大統領(中央)。(c)AFP/Juan BARRETO