【カンダハル/アフガニスタン 28日 AFP】イスラム原理主義勢力タリバン(Taliban)が28日、拉致拘束しているフランス人の人道支援活動家2人とアフガニスタン人3人の扱いについて声明を発表すると見られる。

■フランス人女性解放の可能性も

拉致されている5人は、フランスの非政府組織(NGO)「Terre d’Enfance(子どもたちのための世界、の意)」の職員で、4月3日に南西部ニムロズ(Nimroz)州で行方不明になった。

 タリバンは20日、「フランス政府が1週間以内に、アフガニスタン国内から北大西洋条約機構(NATO)のフランス軍部隊1000人を撤退させ、拘束されているタリバン兵を解放すれば人質を解放する」との声明を発表している。

 要求事項については変更はないと見られるが、一方で、別のタリバン関係筋からは、拘束中のフランス人女性が数日以内に解放される可能性も示されている。

 フランス政府が要求を受け入れなかった場合は、「外国人人質に対するわれわれの行動は世界中が分かっており、まもなく実行される」とする声明を20日付けでホームページに掲載している。

■批判を集めるイタリア政府の人質解放のため取引

 約2週間前には、同様に拉致されていたイタリア人記者が解放された。しかし、同時に拘束されたアフガニスタン人の運転手と通訳は殺害された。

 イタリア政府は、ダニエレ・マストロジャコモ(Daniele Mastrogiacomo)記者の解放と引き換えに、タリバンの中心的人物を含む兵士5人の解放を行った。

 この取引をめぐっては大きな批判が巻き起こり、同政府は「今後同様の取引を行わない」と誓約している。

写真は14日、公営カナダ放送協会(CBC)のウェブサイトに掲載された人質の仏人男女。(c)AFP/CBC