【ロンドン 28日 AFP】俳優ヒュー・グラント(Hugh Grant、46)に、その内容が事実無根として訴えられていた英紙2紙が27日、その非を認めグラントに対し謝罪した。

 今回の騒動の発端となった記事を掲載したメール・オン・サンデー(Mail on Sunday)紙とデーリー・メール(Daily mail)紙は謝罪を行い、二度と同様の記事を掲載しないことを約束した。2紙の発行元、Associated Newspapersは、当記事のために損害を受けたガンのチャリティに対し賠償を行い、グラントの裁判費用も負担することを明らかにした。

 この日、グラントは出廷しなかったが、声明を発表した。

 「メール・オン・サンデーおよびデーリー・メールが自己の利益のために、私の私生活を勝手に作り上げ報道することに対し、我慢ができませんでした。よってこのような措置をとりました」

 「今回、裁判所がこのような判決を出したことで、紙面にしばしば登場するいわゆる『親しい友人』や『近しい情報元』といった情報源は存在しないということを分かっていただけたらと思います」

 グラントが訴えた記事は以下のようなものだ。

 まずは、「ヒュー、ドリュー、そしてジャマイマの嫉妬」というヘッドラインのもと、グラントがワーナー・ブラザーズ(Warner Bros.)の重役と浮気をしたという内容が書かれた記事。

 そして、「ヒューがリズの結婚式に出席」という見出しで、グラントが元恋人のエリザベス・ハーレー(Elizabeth Hurley)とインド人実業家アルン・ナヤー(Arun Nayar)氏の結婚式に出席し、スピーチなどを行うと書かれた記事だ。

 そのほかにも、グラントがチンパンジーのスポンサーになり、高価なネックレスを買い与えたというもの。この行動はグラントと破局した元恋人ジャマイマ・カーン(Jemima Khan)への最後の行為だと報じられていた。

 さらには「ヒューはあまりお利口ではない」という記事で、映画のプロモーションを嫌がっているとも書かれていた。

 今週は、そのほかにもグラントにとっては忙しい一週間だった。25日、カメラマンを足でけりつけ、ベークドビーンズが入った容器を投げつけたとして、逮捕されていたのだ。

 1995年にはロサンゼルスで、売春婦と公共の場所でわいせつな行為に至ったとして有罪判決を受けたこともある。

 俳優としては多くのヒット作に出演している。代表作は「フォー・ウェディング(Four Weddings and a Funeral)」(1994)、「ノッティングヒルの恋人(Notting Hill)」(1999)、「ブリジット・ジョーンズの日記(Bridget Jones’s Diary)」(2001)、「アバウト・ア・ボーイ(About a Boy)」(2002)、「ラブ・アクチュアリー(Love Actually)」(2003)など。

 最新作「ラブソングができるまで(Music and Lyrics)」は、2月に英国で公開となり興行成績でもトップに輝いた。共演者はドリュー・バリモア(Drew Barrymore)で、グラントは1980年代のポップスターを演じている。

 写真は「ラブソングができるまで」のプレミア上映会に登場したグラント(右)とカーン(2007年2月12日撮影)。(c)AFP/Getty Images Evan Agostini