【パリ/フランス 27日 AFP】フランス人の人道支援活動家2人がイスラム原理主義勢力「タリバン(Taliban)」に拉致された事件で、人質解放条件としてタリバンが提示した「仏軍のアフガニスタンからの撤退要求」の期限が数時間後に迫る27日、フィリップ・ドストブラジ(Philippe ouste-Blazy)仏外相は「仏軍がアフガニスタンに長期駐留する計画はない」とのコメントを発表した。

■「独立国家の主権を尊重」と説明

 ドストブラジ外相は「一独立国で長期にわたって軍が駐留を続けることは、独立国家の主権と領土の保全を尊重するフランスの価値観に反する」とし、長期駐留の予定はないとした。

 フランスは、アフガニスタンでタリバン勢力の掃討活動を展開する北大西洋条約機構(NATO)主導の多国籍軍に兵士1000人とラファール(Rafale)戦闘機を派遣している。

 ドストブラジ外相は「人質の迅速な解放を目指し、アフガニスタンおよびフランス両政府は全力を尽くしている」と述べた。また、26日にタリバンが発表した声明で、「人質は無事」と言及していることにも、仏政府が留意していると語った。

■人質となっているのは人道支援団体のメンバー

 人質となっているのは、人道支援団体「Terre d’Enfance(子どもたちのための世界)」の仏人職員2人で、アフガニスタン人職員3人と共に、3日から行方が分からなくなっていた。

 4日になって、タリバンが犯行声明を発表。20日に、人質解放の条件として、一週間以内の仏軍のアフガニスタンからの撤退を要求してきた。

 要求が受け入れられなければ、「外国人人質に対するタリバンの措置を実行することになるだろう」としている。タリバンは、これまでにも複数の人質を殺害している。