【クアラルンプール/マレーシア 25日 AFP】野生動物保護活動家らは24日、絶滅の危機にひんしている野生動物の1種、スマトラサイの撮影に初めて成功した。絶滅からの救出の可能性も出てきたと活動家は語る。

  映像は、森に設置したビデオカメラで珍しいスマトラサイの生活をとらえている。撮影時間は約2分。ボルネオ(Borneo)島での夜間撮影で、スマトラサイが食事したり、ジャングルの木陰からのぞき込んだりしている姿がとらえられ、その後カメラに近づき、機材のにおいを嗅ぐ姿も映し出された。

 マレーシア当局と世界自然保護基金(WWF)はこのビデオを評価する。

 ボルネオ島東部Sabah州の野生動物課のMahedi Andau課長は、「スマトラサイはとても憶病で、ほとんど人前に姿を現したことがない。このビデオはスマトラサイの生態をうかがい知る機会をわれわれに与えてくれた」と述べた。

 WWFによると、スマトラサイは絶滅が危惧される種の1つで、インドネシアのスマトラ(Sumatra)島、Sabah州、マレー半島でわずかに確認できる。

 このビデオで撮影されたスマトラサイはボルネオ亜種で、専門家の推計によると、この島での生息数はわずか25-50頭、大半がSabahの深い森の中で生活している。

 このスマトラサイは伐採などが行われている森林地区で発見されたため、ビデオを利用してこの地域を保護区域に戻すようSabah州当局への働きかけが行われる。WWFの担当者は「もしスマトラサイの生息地域が破壊され続けたら、次の10年で絶滅するだろう」と述べている。

 写真は同日、公開されたスマトラサイの映像。(c)AFP/WWF

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  • 関連サイト:世界自然保護基金(WWF)

  • 関連サイト:Sabah州野生動物課(マレーシア)

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