【マイアミ/米国 22日 AFP】サウスカロライナ(South Carolina)州のビューフォート(Beaufort)海兵隊基地で21日開催された航空ショーで、飛行中の米海軍機1機が墜落し、曲芸飛行隊ブルーエンジェルス(Blue Angels)所属の操縦士1人が死亡した。ほかに死傷者は出ていないという。現地検視当局が伝えた。

 検視当局高官によれば、墜落したのはF18ホーネット(Hornet)戦闘機で、墜落現場はビューフォート付近の雑木林だという。

■木に衝突後墜落か、目撃者の話

 事故発生時の状況について地元Beaufort Gazette紙は「飛行機が高い松の木に衝突し、1区画ほど飛行した後に人口密集地域付近に墜落した」と伝えた。目撃した住民のJason Keithさんは同紙に対し「何かがふと目に留まったかと思うと、突然大爆発が発生し、黒い煙が上がった。飛行機が下降し始め、しばらく様子を見ていたがパラシュートなどは見なかった。もしあと400ヤード右に墜落していたら、道路に衝突するところだった」と語り、編隊を組んでいたほかの5機については「ただ一緒に飛行していただけ」と述べた。

 ほかの目撃者からは「5機は機体を傾けたが、木の後ろで1機だけ急旋回した」との証言も得られている。

 地元テレビ局のWLTXに対しRay Edgemonさんは「振り返ると煙だけが見えた。炎は上がっておらず、煙だけが見えた」と語っている。

■精密な操縦で有名なブルーエンジェルス

 フロリダ(Florida)州ペンサコラ(Pensacola)に拠点を構えるブルーエンジェルスは、精密な操縦で知られる海軍の飛行部隊で、大胆な曲芸飛行や青と黄色が特徴の戦闘機が有名。同部隊の曲芸飛行は、21、22日の2日間にわたり開催される航空ショーの目玉だった。

 写真は、メリーランド(Maryland)州アンドリュース空軍基地(Andrews Air Force Base)で撮影されたブルーエンジェルスの戦闘機(2002年5月17日撮影)。
(c)AFP/Stephen JAFFE