【ロンドン/英国 17日 AFP】サセックス大学(University of Sussex)の研究チームが16日発表した研究結果によると、恋人との濃密なキスよりもチョコレートを食べた時の方が、人々の「恍惚感」が高いことがわかった。

 同大学の元教授で心理学者のデービッド・ルイス(David Lewis)氏の研究チームは、20代の協力者12人を募り、彼らがチョコレート数片を口にした時と恋人とキスをした時との脳の活動と心拍数を調査した。

 12人には、心拍数と脳波測定装置を身につけた状態で、口にビターチョコレート一片を含ませた。チョコレートは、自然に口の中で溶かすよう指示した。その後で、恋人同士のカップルに、チョコレートなしで普段どおりにキスをしてもらった。

   その結果、脳と身体における恍惚感の持続度は、「明らかにチョコレートの勝利」であり、多くの場合、チョコレートによる恍惚感は、「最も情熱的なキス」の4倍も持続したという。

 口の中でチョコレートが溶け出した時点で、脳内全域で刺激反応があった。この反応は、キスした時よりも強く、また持続時間も長かった。

 調査対象者のなかには、チョコレートによる心拍数が休息時の1分間60から140と大きな上昇を見せたのもあった。キスでも心拍数は上昇するが、これほどの上昇度はなかった。ルイス教授によると、調査結果に男女差は見られなかった。

 研究チームは、チョコレート、特にビターチョコレートによる心拍数の上昇は、ある程度予測していた。しかし、その持続度と増加数の大きさや、精神面への強い影響は予想範囲外だったという。

 ルイス教授は調査会社、The Mind Labの経営者でもある。

 写真は米国ニューヨークで5日、高級チョコレートショップJacques Torresのショーウィンドウをのぞき込む少女。(c)AFP/CHRIS HONDROS