【サンフランシスコ/米国 13日 AFP】インターネットのブログ検索大手テクノラティ(Technorati)は12日、ニュースウェブサイト「パーソナル・ビー」(Personal Bee)の買収を発表した。 買収金額などの詳細は明らかにされていない。

■「誰よりも早くニュースを提供する人々を応援」

 ブログ検索サイト大手のテクノラティ(本社:サンフランシスコ)は、パーソナル・ビューのプラットフォームを利用し、ユーザーがニュースページを好みに合わせてアレンジし、訪問者から自動的にフィードバックを受けられるようにするという。

 「人々を『キュレーター(Curator)』にする試みだ」とテクノラティの創業者David Sifry氏。「キュレーター」とは、「誰よりも早くニュースを提供し、その展開を観察することに無上の喜びを感じる人々」を意味するという。

 「どこの家庭にも一日中ジョークを言って人を笑わせたり、家族のなかで一番早くニュースを伝えたがる人がいる。ゴシップが大好きな人も含め、私たちはそういう人をスターにしたい」とSifry氏。

■利用者が柔軟に情報発信できるツールへ

 今回買収されるパーソナル・ビーは2006年9月、カリフォルニア州バークリー(Berkeley)で創業された。同社の目標は、利用者がブログやマスコミのニュースサイトなど「人々を洗う情報の大波」を組み合わせ、自分だけのオンライン新聞を作れるようにすることだという。

 アイルランドの新聞アイリッシュタイムズ(The Irish Times)は、同紙インターネット版の制作にパーソナル・ビーのツールを導入したという。

 一方で、パーソナル・ビーの創業者テッド・シェルトン(Ted Shelton)氏はテクノラティについて、「単なるブログの検索ツールから、人々が共有する膨大な社会メディアを集約させるツールへと進化を遂げた」と評価する。

 「利用者が自由なやり方で、自分に興味ある会話のやりとりを見つけ出し、最新のアイディアを追跡し、膨大なメディア情報を自分の仕様にあわせて再編集し、柔軟に情報発信をできるようにする方法を提供することが私たちの目標だ」とシェルトン氏は語る。

■「メディアの民主化」をめざす

 テクノラティとパーソナル・ビーのウェブサイトの利用は無料。利用者は自分の好みに合わせニュースをアレンジでき、自分のホームページ訪問者のコメントを求めることもできる。

 米の世論調査会社「PEW Internet and American Life Project」によれば、インターネットを使用する米国の10代の過半数が、ブログ、ウェブサイト、画像などのオンラインコンテンツを自分で制作しているという。

 この子たちの成長とともに、オンラインコンテンツを制作する人口は増え、一般化すると考えられる。

 「これはメディアを民主化する試みだ。ネットで情報を発信する人、自分の意見を発表する人がどんどん増えている。人々が世界をどう理解し、どう反応しているのかを私たちはリアルタイムで観察できるという凄い時代になりつつある」とSifry氏は語る。

 写真はテクノラティの創業者David Sifry氏(於サンフランシスコ、撮影日時不明)。(c)AFP