【ナクラ/レバノン 1日 AFP】中東和平の目的で中東地区を歴訪中の潘基文(バン・キムン、Ban Ki-Moon)国連事務総長は31日、2006年に紛争に発展したイスラエルとイスラム教シーア派武装組織「ヒズボラ(Hezbollah)」の恒久的停戦へ向けた努力を約束し、ベイルート(Beirut)を後にした。

 潘事務総長は、「現在の停戦状態とレバノン政府軍との協力関係が続くことを祈っている」とし、国連がレバノンの国民を支援することを約束。特に、同国内への武器の密輸については、国連レバノン暫定軍(UN Interim Force in Lebanon、UNIFIL)が厳しく監視を続けることを繰り返し述べた。

 レバノンには、イスラエルとヒズボラによる34日間の争いについて停戦を定めた、2006年8月14日の国連決議1701(Resolution 1701)が採択されてから、停戦監視として国連平和維持軍のUNIFILが配備されている。UNIFILは、1978年のイスラエルによるレバノンへ侵攻がきっかけで発足し、ここ数十年で初となる本格的な交戦へと発展した2006年の紛争後さらに強化され、30か国から陸軍や海軍など、1万2997人からなる兵士が配備されている。現在は、国境付近に配属されたレバノン政府軍と共に、レバノン南部の警備にあたっている。

 写真は同日、マルジャユーン(Marjayoun)の国連平和維持軍を訪問し、司令官のイタリア軍Claudio Graziano少将(左)とケーキカットに臨む潘事務総長(中央)。(c)AFP/JAMAL SAIDI