【ブエノスアイレス/アルゼンチン 31日 AFP】ブエノスアイレス(Buenos Aires)市内の病院に緊急入院して2日目となるサッカー元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナ(Diego Maradona)氏(46)が、精神科の看護師に付き添われながらアルコール中毒の解毒治療を受けている事を同病院の医師が30日、明らかにした。

 同病院のHector Pezzella院長によると、28日に市内のGuemes病院へ緊急入院したマラドーナ氏は、禁断症状が起きるのを防ぐ為に鎮静剤を投与されており、定期的に検査を受けているが経過は良好だという。

 Pezzella院長は「今朝は2度も目覚め、朝食を食べました。自分で食べられるようになったという事は、回復に向かっている兆候です。マラドーナ氏は自分が入院している事には気付いていますが、まだそれほど活動的ではありません」と語り、同氏の容体が安定していて順調に回復していると説明している。

 また、主治医のアルフレド・カエ(Alfredo Cahe)医師によると、彼は自身の意志に反して入院し、鎮痛剤投与を受けざるをえなかったのだという。

「ここ数週間、マラドーナ氏は落込んでいた」と述べている同医師によると、その原因は恐らく3月上旬にアルゼンチン中央銀行がマラドーナ氏の銀行口座に関する税務調査を開始した事に端を発した脱税疑惑が取りざたされている事はないかと推測されている。

 通常アルコール中毒の解毒治療を受ける患者の場合、入院してから5日から7日後に退院することから、マラドーナ氏はあと1週間近く同病院で治療を受けて退院する予定とみられている。また、それ以前に退院すると決めた場合でも、病院側はすでに「命に別状はない」としているので退院は許可される見込み。

 マラドーナの病室には2人の娘たちと親しい友人数人が病室に付き添っているほか、臨床看護師および精神科の看護師が常時待機している。

 写真は29日、マラドーナ氏が入院しているブエノスアイレスのGuemes病院の入口付近で、アルバムの写真を見せる同氏のファン。(c)AFP