【ワシントンD.C./米国 31日 AFP】英米などで事業を展開している小売大手のTJXグループは30日、2005年から2006年の間にかけて大規模な情報流出があったことを公表した。

 TJXは米国証券取引委員会(SEC)に提出した報告書の中で、デビッドカードやクレジットカードなど約4560万件の顧客情報が流出したことを明らかにした。同社によれば、流出した情報の大部分は暗号化されたものやナンバーが不完全なものであり、悪用の恐れは無いという。

 一方でコンサルティング企業ガートナー(Gartner)のAvivah Litan氏は、「これは過去最大規模の情報流出で、損害額は計り知れない」と述べている。

 TJXは2006年12月18日、自社のコンピュータシステムの中に不審なソフトウエアを発見、後にこのソフトウエアがコンピュータシステムへ侵入された原因であったことが判明した。

 これ以前に発覚した情報流出事件の中で最大規模のものは、2005年に発生したカードシステムズソリューションズ(CardSystems Solutions)の約4000万件。

 国内の各メディアは、警察当局が前週、TJXから流出したクレジットカードのナンバーで100万ドル利用した6人を逮捕したと報じている。

 写真はロンドンで同日、TJXが英国で展開しているTK Maxxの店舗。(c)AFP/Max Nash