【東京 27日 AFP】長崎地方裁判所で27日、第二次世界大戦中に日本の炭坑で強制労働をさせられたとして損害賠償を求めていた中国人の訴えを退ける判決が出された。

 長崎地方裁判所は、元労働者とその遺族計10人の原告に対し、被害から20年の除斥期間が過ぎており、原告の損害賠償請求権は既に消滅したと述べた。

 原告側は日本政府と当時の雇用主であった三菱マテリアルに対し2億円の損害賠償を求めていた。

 田川直之裁判長は日本政府が強制労働政策を決定し実施したこと、および被告企業が関与した事実を認めた。しかし同裁判長は、除斥期間中に「原告が損害賠償を求めるために日本に来ることができなかったのは被告の責任ではない」と述べた。

 戦時中の日本が与えた被害は現在でも日本とアジア諸国との外交関係に影を落としているが、当時受けた被害の救済を訴える裁判は原告側の敗訴に終わったものが多い。

 宮崎地方裁判所も26日、別の元労働者グループが1億8400万円の損害賠償を求めて起こした訴えを、今回と同様の、除斥期間が過ぎていることを理由に原告の請求を棄却している。

 写真は支持者らと共に東京高裁に向かう原告(2006年6月16日撮影)。(c)AFP/YOSHIKAZU TSUNO