【東京 21日 AFP】07世界フィギュアスケート選手権(ISU World Figure Skating Championships 2007)、ペア・フリースケーティング(FS)。ショートプログラムで首位に立った中国のシュー・シェン(Shen Xue)/ホンボー・ツァオ(Hongbo Zhao)組は、フリースケーティングでも首位となる132.43点を記録し合計203.50点で4大会ぶり3度目の優勝を飾った。

■有終の美を飾ったシュー・シェン/ホンボー・ツァオ組

 今大会を最後に第一線を退くシュー・シェン/ホンボー・ツァオ組は、フランス人作曲家ジュール・マスネ(Jules Massenet)の「タイスの瞑想曲(Meditation from Thais)」に合わせてトリプルトーループとダブルトーループのコンビネーションジャンプでプログラムをスタート。その後もトリプルツイストやトリプルスローなどで観客を魅了し、チェンジフットコンビネーションスピンでバランスをわずかに崩したが、ほぼ完璧な演技でパーソナルベストの206.54点に迫る203.50点を記録し、銅メダルに終わったトリノ五輪の失意から完全に立ち直り、2003年大会以来となる通算3度目の優勝で有終の美を飾った。

 演技を終えたホンボー・ツァオは記者会見で「我々の長年にわたる努力がこのような最高の結果で報われて幸福に思う。やっと普通の生活に戻れるが、エキシビションのようなイベントに呼んでもらえれば喜んで参加したい。競技生活をずっと続けていたら髪が薄くなってしまうしね」と冗談を交えて喜びを語り、またシュー・シェンは「完全燃焼したので、今はできる限り長く休みたい。1年ほど休むかもしれないが、その時にまだ能力やフィジカルコンディションに問題がなければ戻ってくるかもしれない」と語っている。

■連覇を逃したクィン・パン/ジャン・トン組

 2006年の同大会で優勝を飾った中国のクィン・パン(Qing Pang)/ジャン・トン(Jian Tong)組は、クィン・パンの腎臓障害とジャン・トンが2006年の年末に交通事故に遭った影響でシーズンを出遅れたが、合計188.46点で2位を獲得し銀メダルに輝いた。

 演技を終えたジャン・トンは「クィン・パンが腎臓障害を抱え、自分も大みそか日に交通事故に巻き込まれ、額を16針縫うけがをしたりもしたが、自らの力で病気とけがを克服した。今後はどんな障害があっても大丈夫だろう」とコメントした。

■サフチェンコ/ショルコウィー組が銅メダルに

 06-07グランプリシリーズ・ファイナル(Figure skating Grand Prix Series Final 2006-07)ではシュー・シェン/ホンボー・ツァオ組に敗れて2位に終わるも、07欧州選手権(ISU European Figure Skating Championships 2007)で初優勝を飾ったドイツのアリオナ・サフチェンコ(Aliona Savchenko)/ロビン・ショルコウィー(Robin Szolkowy)組は、合計187.39で3位につけ銅メダルを獲得した。演技を終えたショルコウィーは「良い演技が披露できただけに今は喜びと失意が入り交じった複雑な気持ち」とコメントし、サフチェンコは「各エレメントをそつなくこなしたが、チームとしての一体性に欠けていた」と演技を振り返った。

 写真は、表彰台でメダルを披露するシュー・シェン(左)とホンボー・ツァオ。(c)AFP/TOSHIFUMI KITAMURA