【バグダッド/イラク 20日 AFP】イラク戦争開戦から20日で4年となるなか、宗派間抗争の戦場と化したイラクの人々の心中には、駐留米軍や故サダム・フセイン(Saddam Hussein)政権時代に対する苦い思いが交錯している。

 2003年3月20日午前5時35分、米軍はイラクに対する軍事作戦「衝撃と恐怖(shock and awe)」を開始、バグダッド(Baghdad)にトマホークミサイル(Tomahawk missile)や精密誘導ミサイルの雨を降らせた。これに対し、当時のフセイン大統領は、「横暴な敵との最後の戦いだ」と気勢を上げた。

 しかし、同年4月9日、中央広場の巨大な同大統領の銅像は、イラク民衆によって首にロープをまかれ引き倒された。後の2006年12月30日、「人道に対する罪」で同大統領が絞首刑となることを暗示していたかのようだ。

 また、元大統領と同様、タハ・ヤシン・ラマダン(Taha Yassin Ramadan)元副大統領が20日、絞首刑に処せられた。

 一方、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は、開戦4年を控えた19日、イラクの治安回復に向けた努力を辛抱強く見守ってほしいと、不人気の「イラク政策」への支持を米国民に訴えた。

 写真は17日、バグダッド中部に並ぶ露店。手前に見えるコンクリートの壁は、車両爆弾などから人々を守るためのものだという。(c)AFP/ALI YUSSEF