【ワシントンD.C./米国 18日 AFP】ロバート・ゲーツ(Robert Gates)米国防長官は18日、イラク駐留米軍の増派について触れ、「イラク国内の宗派間抗争の鎮圧に功を奏しているかを判断するのは時期尚早である」と述べた。

 ゲーツ国防長官は、CBSの番組「Face the Nation」に出演し、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領の2万1500人の増派計画の発表から8週間が経過したことを受け、「増派はこれまでのところうまくいっていると思う」と語った。また、イラク駐留米軍のデビッド・ペトレアス(David Petraeus)新司令官の話とあわせて、「増派の効果を正確に判断するにはあと数か月が必要」との見解を示した。

 同長官はさらに、ここ最近のイラク軍の活動についても評価した。「イラクは、(イラク新戦略における)米国への使命を全うし、約束を果たし、存在感を示しつつある」、また「駐留米軍の本来の目的は、イラク軍が力をつけて自立するまでの時間稼ぎをすることにある」と述べた。

 一方で、米国防総省が3月初旬に「イラクの治安悪化が内戦の要素を帯びている」と表現したことについて、「宗派間抗争は、一般の信徒ではなく武装勢力が行っていることからもわかるように、国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)と反政府勢力が巧妙に仕掛けたものだ」と反論した。

 イラク戦争開戦から20日で4周年を迎えるのを前に、国内では米軍のイラク早期撤退を求める声が高まりを見せており、政府側は、イラク駐留米軍の正当性をアピールするのに躍起になっている。

写真は、イラク駐留米軍による家宅捜索の様子。(c)AFP