【シカゴ/米国 17日 AFP】睡眠時無呼吸症候群(SAS)の患者は脳損傷を受けやすいことが16日、昭和大学研究チームが米国で発表した研究報告により明らかになった。

 研究チームは中度から重度のSAS男性患者65人のデータを収集分析。脳スキャンの結果、SAS患者は健康な男性よりも脳に損傷を受けやすく、原因が血管炎症や血液凝固に伴う酸素欠乏と突き止めた。

 夜間、無呼吸のため度々目覚めるSAS患者は、リフレッシュ効果の高い深い睡眠を妨げられる。多い人では目覚めの回数が一晩で100回に達するという。

 先行研究で睡眠障害は高血圧や心臓発作の発生リスクを高めることが知られているが、今回の研究ではさらに、自覚症状のないまま受けた損傷が心臓発作などの大きな病気の引き金になる可能性があることを示した。

 研究チームは一方で、睡眠時の呼吸を補助するCPAPという機械による治療で、血管炎症や血液凝固の症状が緩和されることも発見。

 SAS患者24人に3か月間、CPAPを使用させたところ、体内での炎症発生の指標となるC反応性タンパク質と、血液凝固をもたらす2タンパク質の値が大幅に低下したという。

 写真は、ワシントン(Washington)州スポーケン(Spokane)の州立大学で睡眠ポリグラフ検査のデモンストレーションを行う研究室スタッフたち(2006年12月13日撮影)。(c)AFP/Getty Images/Jeff T. Green