【ロサンゼルス/米国 16日 AFP】国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の幹部ハリド・シェイク・モハメド(Khalid Sheikh Mohammed)容疑者が、パキスタンでイスラム過激派に拉致殺害された米国ジャーナリスト、ダニエル・パール(Daniel Pearl)氏の首を切断したのは自分だと認めた。国防総省(Pentagon)当局が15日、明らかにした。

 国防総省によると、モハメド容疑者は、現在拘束されているキューバ・グアンタナモ(Guantanamo)湾の米海軍基地で開かれた非公開審議の際、9.11米同時多発テロの首謀者であると認め、さらに「自分の手でパール記者を殺害した」と述べたという。

 これを受けて故パール記者の遺族は同日、実際にそのテロリストが実行犯だったかどうかについて「その真実を知ることは不可能だ」と語った。

 米ウォールストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)の南アジア支局長だった故パール記者は、2002年1月23日、カラチでイスラム過激派の取材中に誘拐され、その後、殺害された。

 カリフォルニア州Encino在住のパール記者の両親、RuthさんとJudeaさんはAFPに送った声明の中で次のように述べた。

「モハメド容疑者は息子を殺したと言って自慢していますが、現時点ではそれが本当かどうか確かめようがありません。それよりも今は『ダニエル・パール基金(Daniel Pearl Foundation)』の活動に精力を注ぎ、ダニアルの夢を実現してきたいと思います」

 ダニエル・パール基金は、故パール記者をしのび設立された非営利団体。同記者が生前に情熱を注いでいた2つのもの、「ジャーナリズム」と「音楽」を通じて、異文化間の相互理解をはかる活動を展開している。両親はこの基金の目的を、「息子の命を奪った(国家間や文化間の)憎悪を取り除くことだ」としている。

 写真は米ウォールストリート・ジャーナルの記者だった故パール氏(撮影日不明)。(c)AFP