【パリ/フランス 8日 AFP】シャネルの化粧品部門の製造を主に行っているパリ郊外のパンタン(Pantin)工場で5日、労働総同盟(CGT)がストライキの呼びかけを行った。同盟によると、ストライキは今月13日に予定されており、同社が検討中の130人にも及ぶ職員削減案に反対するためだという。

■約半数の従業員がリストラ対象

 281人の職員を抱えるパンタン工場は、「プラン・オリゾン(Plan Horizon)2009」という計画の下、他県に業務の移転を行うため、同工場の職員を削減する予定だと、広報担当者は述べた。

 労働総同盟によると、シャネル・パルファン・ボーテ(Chanel Parfums Beaute)は口紅などの商品製造を、オワーズ(Oise)県のシャマン(Chamant)、コンピエーニュ(Compiegne)、ル・ムー(Le Meux)へ移転させ、職人103人の移動と33のポスト削減を行うという。

「パンタンから消される130人の職員は、当工場の半分に値します」と同組合は述べる。

 同社はこの計画に対し、「2年間の間にフランス国内での実働員の増員を行っていく」と述べている。

■業務後との専門性と生産性を高める方針

 また、パンタンの職員削減計画については、「化粧品市場の規格と見合った製造に」追いつくことが難しくなるだろうと述べ、「業務ごとの専門性」を高めていくことを今後は行っていきたいという姿勢を見せた。

 加えて、同社は「定年前退職を希望する者には、財政面を含め、出来る限りの条件で支援を行う」方針も明らかにしている。

 労働総同盟は、経済的な理由から職員削減計画を立てたり、辞職を促したりすることは、50人たらずの職員を持つ経営困難に陥った中小企業が行うことで、シャネルのような大企業が行うのは不当極まりないことである、と同計画を非難した。

写真は、シャネルの代表的な香水「No.5」。(c)AFP/KJELL OSTBERG