【ローマ/イタリア 28日 AFP】イタリアの小島ストロンボリ(Stromboli)島で火山活動が活発化したことを受けて27日に非常事態宣言が出された。市の監視局によると、新たに生じた2つの断層から溶岩が噴出しているという。

 ストロンボリ火山は欧州で最も活発な火山の一つ。科学者らにより火山活動に活発化の兆候が見られたことを受け、最近は厳重な監視下にあった。

 市の監視局は同日、溶岩流がすでに海に流れ込んでいるほか、新たに2つの断層から溶岩が吹き出しているのが発見されたことを受けて、緊急時対策の実施を決定した。

 通信社ANSAが国立火山研究所の科学者Enzo Boschi氏の話として伝えたところによると、当面は津波を引き起こすような大規模な噴火などが起きる兆候は見られないという。さらに同氏は、現状について「今後も注意深く監視を続ける必要のある状況。市民の安全を確保するためあらゆる予防措置が取られている」と述べた。

 2002年12月のストロンボリ火山噴火では、噴出した約200万立法メートルの溶岩が海に流れ込んだ結果、大津波が発生、周辺の島に甚大な被害をもたらした。

 ストロンボリ島は人口約400人の小島で、毎年6000人近い観光客が訪れる。

 写真は、闇の中で赤白く輝きながら海に流れ込んだたストロンボリ火山の溶岩と、海から立ち上る蒸気(2003年12月2日撮影)。(c)AFP/ANSA/FRANCESCO CUFARI