【バグダッド/イラク 28日 AFP】西部ラマディ(Ramadi)のサッカー場で27日、トラックに仕掛けられた爆弾が爆発し、15歳以下の少年18人が死亡、20人が負傷した。

 事件について証言したイスラム教スンニ派(Sunni)指導者によると、爆発したトラックはサッカー場に隣接した区画で、荷台に丸太を積載したまま駐車しており、少年たちがサッカーを開始した後に爆発したという。 同指導者は国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)に反対する少数民族の出身で、実行犯について「テロリストらは人間性を完全に喪失している」と怒りを示した。

 アンバル(Anbar)州ラマディは反米を掲げる反政府勢力の活動が盛んな地域で、敵対するスンニ派勢力との衝突も先鋭化している。同地域のスンニ派勢力は2003年3月のイラク侵攻後、外国軍部隊と交戦し、反政府活動を行う勢力を黙認または積極的に支持していた。

 ところが前年末、スンニ派の有力少数民族の指導者が政府支持へと立場を転換。警察部隊に若者を入隊させるなど、アルカイダや外国勢力系の反政府勢力に立ち向かう姿勢を鮮明に打ち出したところ、この民族を標的とするテロ事件が多発するようになった。

 24日にはラマディ近郊のハバニヤ(Habbaniyah)で、爆発物の仕掛けられた石油輸送車がモスクに突入し、56人が死亡するテロ事件が発生。また、26日にはラマディ市内の警察署が自動車爆弾テロの標的となり、15人が死亡している。

 写真は27日、バグダッドで別途発生した爆弾テロ事件の現場で、黒こげとなった自動車のがれきを見る子どもたち。(c)AFP/AHMAD AL-RUBAYE