【モスクワ/ロシア 26日 AFP】パレスチナのイスラム原理主義組織ハマス(Hamas)の政治指導者、ハレド・メシャール(Khaled Meshaal)氏は26日、ロシア政府高官らとの会談のため、モスクワ(Moscow)入りした。近く組閣される統一自治政府について、ロシアの支持を求めるとみられる。

 メシャール氏のモスクワ訪問は、2006年1月の選挙でハマスが勝利し、パレスチナ自治政府の主導権を握って以来2度目となる。米、ロ、欧州連合(EU)、国際連合(UN)の4者でつくる中東和平協議はハマス政権を認めず、自治政府への経済支援を凍結。ハマスがイスラエルの存在権を認めることを、支援再開の条件としてきた。

 ハマスのイスマイル・ラドワン(Ismail Radwan)報道官は、メシャール氏は「4者協議の中でも積極的なロシア側の姿勢を最大限活用」し、経済制裁の解除をめざすと述べた。

 ロシアは経済制裁に批判的で、4者中で唯一、ハマスとの外交関係を維持している。イスラエルと米国は、統一新政府がイスラエルを容認し、武力闘争を放棄して、過去にパレスチナ解放機構(PLO)とイスラエルが結んだ和平協定の順守を約束しない限りは、制裁解除に応じない構えだ。

 イスラエルの強硬右派アビグドール・リーバーマン(Avigdor Lieberman)副首相も同日、モスクワを訪問しており、この3点を改めて強調する可能性が高い。

 メシャール氏のモスクワ訪問が伝えられると、エフド・オルメルト(Ehud Olmert)イスラエル首相は電話でウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)ロシア首相と会談。Miri Eisinイスラエル報道官は、「ハマスやメシャール氏と親交を結ぶべきではない」との意向を伝えたと発表した。

 写真はモスクワ国際空港に到着し、手を振るハレド・メシャール氏。(c)AFP/ALEXANDER NEMENOV