【トリポリ/レバノン 13日 AFP】医療スタッフが行った輸血でリビア人児童がエイズ(HIV/AIDS)に感染した事件で、死刑判決を申し渡されたブルガリア人看護師5人に対する最高裁による最終判決を前に、AFPの取材に応じた被告側弁護人が「大きな不安を抱えている」と語った。

 被告5人と10日前に面会したきりだというOthman al-Bizanti弁護士は12日、「被告たちの士気は非常に下がっていた。死刑判決以降、強い不安にかられている。彼らは過去8年間ずっと心理的拷問と日々の苦悩に苦しんできた」と語った。

 看護師5人は1999年2月9日、勤務していたリビア北東の都市ベンガジ(Benghazi)の小児病院で、子ども400人以上にエイズウイルスを感染させたとして、パレスチナ人医師1人とともに逮捕された。2004年5月に銃殺刑が言い渡され、控訴と再審の後、2006年12月19日の判決でも刑はくつがえされなかった。

 被告側は12月の再審判決以降1か月半にわたり、最高裁に上訴してきた。

 医師と看護師らは罪状を否認しており、世界中の専門家らが上訴を支援している。エイズウイルスの共同発見者であるリュック・モンタニエ(Luc Montagnier)博士も支援者のひとりとして、「感染は医療スタッフの責任ではなく、病院の劣悪な衛生状態によるものだ」と発言している。

 写真は2006年12月12日、トリポリ(Tripoli)の裁判所で行われた再審で判決後、被告たちの前に立つリビアの警備兵。(c)AFP/MAHMUD TURKIA