【サンフランシスコ/米国 31日 AFP】カリフォルニア州サンホセ(San Jose)市を拠点とするインターネット・オークション・サイト大手イーベイ(eBay)は30日、オンラインゲームで得た通貨、武器といった「仮想アイテム」のオークションを禁止することを明らかにした。理由は、所有権の観点から法的に複雑な問題が生じるためだという。

 同社広報担当Hani Durzy氏は「こうした仮想アイテムの売買を禁止するのが最良の策だと考えた。規定に反するとは言えないが正当性は認められない」と語る。

 「World of Warcraft」などのオンラインゲームでは、別のレベルに早く進もうとするゲーマーが、同ゲームの「戦利品」である武器や通貨を喜んで購入することから、若いゲーマーの中には、そうした戦利品を他のゲーマーに売り、実社会で生計を立てている者もいるという。

 Durzy氏は、今回イーベイが仮想アイテムのオークション禁止について、「一国の政府が、アルコールやタバコなどの販売に複雑な規制をかけるのと同じように、企業も自らの「製品」にしかるべき規制を取り入れているのだ」と語る。

 なお、「Second Life」といった仮想世界の仮想アイテムは、今回のオークション禁止の決定から対象外とされている。 「Second Life」は、参加者が自分の分身として登場させるキャラクター「アバター」が、仮想世界で家屋などの資産を購入するゲーム。

 イーベイのサイトにおける仮想アイテムのオークションは数週間以内に廃止される予定。

 イーベイ側は明らかにしていないが、仮想アイテムのオークションによる2006年度の売上げは、535億ドル(約6.5兆円)相当と報じられている。

 写真は、カリフォルニアの イーベイ本社入り口。(c)AFP/ HECTOR MATA