【ロンドン/英国 31日 AFP】英政府のカジノ諮問委員会(Casino Advisory Panel)は30日、英国初の大型賭博施設、通称「スーパーカジノ(Supercasino)」の建設地に、北西イングランドの都市マンチェスター(Manchester)を選んだ。

■まだ複数の候補地が承認を待つ

 計画は、マンチェスター東部地域の再開発プロジェクトの中心に位置づけられている。英サッカー・プレミアリーグに所属するマンチェスターシティー(Manchester City)の本拠地近くの空き地を利用し、少なくとも5000平方メートルの敷地内にスロットマシン1250台を設置する予定。

 候補地の選定にあたった専門家らで構成する政府のカジノ諮問委員会は、ほかに8か所の大規模賭博施設と、8か所の小規模施設を推薦した。計17か所の推薦地は今後、議会の承認を受ける必要がある。

 候補地としてはほかに7都市が一次選考を通っており、中でも西海岸の保養地ブラックプール(Blackpool)かロンドンのミレニアム・ドーム(Millennium Dome)の再利用が有力視されていた。

■賭博法改正による規制緩和後も、ギャンブル無法地帯にはならない

 賭博法改正による規制緩和で、ギャンブル絡みの社会問題の増加を懸念する声が上がるなか、英政府は、「これらのカジノが、米国式のギャンブル無法地帯になることはない」と保証。テッサ・ジョウェル(Tessa Jowell)文化・メディア・スポーツ相は英議会で、「これだけははっきりさせておきたい。ラスベガスの英国上陸はない」と述べた。

 賭け過ぎを助長しかねないアルコール飲料の無料提供は行わず、プレーヤーの眠気覚まし用の酸素発生器も設置しない。未成年を連れて入るのも違法だ。ギャンブル絡みのトラブルを早期に発見できるよう、従業員の教育も徹底するという。

 マンチェスター市も、「高度な社会責任基準」を約束し、独立した公益信託が運営を監督すると発表している。また、17か所の建設地すべてにおいて、経済的、社会的な影響力評価が適切に行われない限り、建設には着手しないとも語った。

 写真は、30日公開されたマンチェスターの「スーパーカジノ」の完成イメージ図。(c)AFP/MANCHESTER COUNCIL