【ローマ/イタリア 30日 AFP】サッカー、イタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)は、スペイン・リーガエスパニョーラ1部のレアル・マドリード(Real Madrid)に所属するブラジル代表のFWロナウド(Ronaldo)を獲得した。移籍金は750万ユーロ(約12億円)で契約期間は18ヶ月。また、これに伴いミランのリカルド・オリベイラ(Ricardo Oliveira)がレアル・マドリードにレンタルで移籍するものと見られ、さらにミランがリーグ戦で来シーズンの欧州チャンピオンズリーグ(Champions League)出場権獲得圏内となる4位以内を確保すればレアル・マドリードに50万ユーロ(約8000万円)が支払われる。

 ミラノのリナーテ空港に到着したロナウドは「ミラニスタの夢を叶えたい。少し当惑しているのは事実だが、移籍が成立しミラノに帰って来ることができ嬉しく思う。」と語り、インテル(Inter Milan)在籍時以来約5年半ぶりのセリエA復帰の喜びを語った。

 ミランは八百長疑惑での勝ち点減点の影響もあり第21節を終えて9位に低迷。チームは2007-08シーズンの欧州チャンピオンズリーグ出場権獲得に向けて前線の補強が急務とされており、ファビオ・カペッロ(Fabio Capello)監督の構想から外れ出場機会を求めて移籍を望んでいたロナウドの獲得を目指しレアル・マドリードと交渉を行っていた。

■新たなるチャレンジ

 ミラノに向かう際マドリード空港でインタビューに応じたロナウドは「4年半過ごしたクラブに別れを告げることは辛いことだが、これも人生の一部。目の前には大きなチャレンジが待っている。いろいろなことを言われてきたが、カペッロ監督とは特別な問題があったわけではない。監督に必要とされていない以上、出場機会を求めて出て行くことはプロとして当然のこと。」と移籍の心境を明かしている。

■経歴

 1993年にクルゼイロEC(Cruzeiro EC)でプロとしてのキャリアをスタートしたロナウドは、60試合で58ゴールを挙げて一躍注目を集める。その後1994年にはPSVアイントホーフェン(PSV Eindhoven)に移り在籍した2シーズンで56試合に出場し55ゴールを記録。1996年には移籍したバルセロナ(Barcelona)で44試合に出場し39得点を挙げるも1シーズンでインテルに移籍。インテルでは移籍1年目の97-98シーズンには25ゴールを挙げたが、2年目の翌98-99シーズンに右膝十字靱帯を部分断裂し約4ヶ月のリハビリを経て復帰するが1戦目で再び同じ箇所を負傷、一時は選手生命を危ぶまれるも約1年に渡るリハビリを乗り越え復帰を果たした。2002年には移籍金推定4500万ユーロ(当時約54億円)でレアル・マドリードに移籍し、通算164試合に出場して99ゴールを挙げている。

 また、ブラジル代表として1994年に17歳で初選出されて以来97試合で62ゴールを挙げているロナウドは、準優勝に終わった1998年フランスW杯では4ゴール、優勝した2002年日韓W杯では8ゴール、準々決勝で敗退した06サッカーW杯ドイツ大会では3ゴールを挙げてW杯での通算ゴール数を15とし、歴代最多得点の記録を樹立している。

 写真は、マドリードでインタビューに応じるロナウド。(c)AFP/PHILIPPE DESMAZES