【アングレーム/フランス 30日 AFP】アングレーム(Angouleme)で開催されたコミックの祭典、「アングレーム国際マンガフェスティバル(Festival de la BD d’Angouleme)」で28日、日本の妖怪漫画の第一人者、水木しげる氏の作品、「のんのんばあとオレ」が最優秀コミック賞を受賞した。

 「のんのんばあとオレ」は魔界と民話に現代批判が入り交ざった風変わりな物語。4日間のフェスティバルで審査された約50作品の中から最優秀コミックに選ばれた。

 82歳になる日本漫画界の巨匠、水木氏は太平洋戦争で兵士としての戦闘体験があることから、同氏の作品は空想の世界の中に戦争や暴力が反映されたものが多い。水木氏はパプアニューギニアでの戦闘で左手を失っている。
 
 子ども向けの人気マンガ「アステリックス(Asterix the Gaul)」や「タンタン(Tintin)」の国、フランスでの高まるマンガ人気を受け、今回のフェスティバルではマンガ専門の特別展示が行われた。

 今やフランスは日本に次ぐ漫画大国だ。フランス語圏で出版される年間約4000冊の約半数をマンガが占めているという。

 写真は、水木しげる氏のパネルを掲げるCornelius publishing companyのJean-Luc Gauthey氏。(c)AFP/PIERRE ANDRIEU