【北京/中国 30日 AFP】アテネ五輪、競泳・女子平泳ぎ100メートル金メダリストで、北京五輪での活躍を期待されていたルオ・シュエジュエン(Luo Xuejuan、23歳)が、心臓の疾患により現役を引退することを発表した。

 ルオは第15回・アジア競技大会(The 15th Asian Games)と2月にオーストラリアで行われる世界選手権の国内選考を棄権するなど数ヶ月に渡り心臓の状態を見た上で、今回の発表に至った。

■惜しまれる引退、詳細は明かされず

 「命が最優先だから・・・みんな私がとても負けず嫌いな人だってことを知っているわ。でも水泳を辞める以外に選択肢はなかったの。」とルオの故郷である杭州(Hangzhou)で行われた引退セレモニーで語った。同じ中国のアテネ五輪、陸上・男子110メートルハードル金メダリストのリュウ・ショウ(Liu Xiang)や、女子飛び込みのGuo Jingjingと共に北京五輪の期待の星であったルオの引退について水泳管理センターのShang Xiutang副所長は、「中国スポーツ界にとって大きな損失である。ルオが抜けた穴は、北京五輪への準備にも影響するでしょう。」と語った。

 以前から関係者や医師は彼女の症状について説明することを避けており、コーチとの仲違いのためにに引退するのではないかとささやかれていたルオは、コーチと金銭面と他の健康上の問題について口論していた。発表を行った29日でさえ、ルオと医師はどのような症状であるのかを明らかにしなかったと中国日報(China Daily)が伝えている。中国のチームドクターであるHan氏は「アスリートとしては危険だけれど、普通に生活する分には問題ない。」とだけ語っている。

 中国チームのコーチZhang Yadong氏によると競技会に出場したりトレーニングをしたりすることはルオにとって非常に危険だと話す。「ルオは回復できなかった。もしトレーニングを続けて、何か彼女の生命を脅かすようなことがあったとしたら誰も責任は取りたくない。」と同紙は伝えている。

■今後は別の形で中国競泳界に貢献したい

 ルオは今後北京大学で勉学に励む予定であると言うが「ナショナルチームがもたらしてくれたものはとても素晴らしいものです。私は引退しますが、五輪チャンピオンとして、2008年の北京五輪のため何かをしたいし、ナショナルチームが世界で一番になると願っています。」と何らかの形で中国の競泳界に貢献したいとも話す。

写真は、第14回アジア競技大会、女子100メートル平泳ぎで優勝を飾ったルオ(2002年10月1日撮影)。(c)AFP/Torsten BLACKWOOD