【マイアミ/米国 29日 AFP】NFLは29日、2月4日にフロリダ州マイアミで開催されるNFL第41回スーパーボウル(Super Bowl XLI)に向けてテロ対策関連予算の増加とセキュリティ警戒レベルの引き上げを発表した。警戒レベルは、米大統領の一般教書演説や2002年に開催されたソルトレーク五輪のテロ対策への基準から引き上げが決められ、スーパーボウルでのセキュリティ警戒レベルの引き上げは、2001年9月11日にニューヨークとワシントンで発生した米同時多発テロ後の2002年に開催された第36回スーパーボウル(ニューオーリンズ)以来となる。

 会見でNFLのセキュリティ部門を担当するMilt Ahlerich副会長は「(テロ対策について)スーパーボウルは米国民にとって最大のスポーツイベントであり、テロリストにとっては明確な的になるだろう。我々は安全を守るために600万ドル(約7.3億円)の予算を立てた。この資金で精巧な機械での検査や身元調査、3000人の警備エキスパートと民間の警備スタッフへの代金として更なる安全に力を注ぐつもりだ。私達は安全だと信じているが最悪の事態を考えて想定しなければならない。」と語り、テロ攻撃への懸念を示した。

 またマイアミ・デイド警察(Miami-Dade Police Department)のロバート・パーカー(Robert Parker)署長は、「(テロ対策について)スーパボウルは警備に焦点が当たるのではなくフィールド上に立つチームであって欲しいと思っている。私達は起こりうるすべての事柄について想定している。現在入院中のフィデル・カストロ(Fidel Castro)キューバ国家評議会議長がスーパーボウル週間中に死亡したならばテロが起こる可能性も高まるだろう。私達はそうなるとは思わないが、仮にそうなった場合の事も考えておかなければならない。」と語った。

 今回のセキュリティ警戒レベルの引き上げから前年度に増す大規模なセキュリティ対策がNFLや開催都市、連邦政府、軍、警察などの元に行われる。NFLの試合時にはスタジアム上空が飛行禁止になっているが今回は飛行禁止区域も通常より拡張される事が予想されている。

 写真は、第37回スーパーボウルで会場となったカリフォルニア州サンディエゴのクアルコム・スタジアム(Qualcomm Stadium)の外でファンをチェックをする警備スタッフ(2003年1月26日撮影)。(c)AFP/Timothy A. CLARY