【クアラルンプール/マレーシア 19日 AFP】「傲慢にならない」、「大使夫人に関するうわさ話をしない」、「トイレの掃除は念入りに」。外交官妻としての基本ルールをまとめた冊子を、マレーシアの外務省が18日発表した。

 「外交官妻の心得(Useful Tips forthe Diplomat’s wife)」と題された本の著者は、サイドハミド・アルバル(Syed Hamid Albar)外相の妻であるSharifah Aziah Syed Zainal Abidin夫人。身の振る舞い方から王宮での礼儀作法、大使夫人の役割などが記されている。長年夫に連れ添ってきた夫人が自らの経験をもとに執筆したと、アルバル外相は言う。

 1ページ目に書かれたアドバイスは、「家の手入れは念入りにすること」

 「自宅をきれいに掃除し、トイレ、お風呂、洗面所と台所には特に気を配りましょう。家はあなた自身と国のイメージに直結します」

■ 夫を支え、余計なストレスを与えない

 ほかに「夫が困難な職務を任された時は夫を支え、赴任先について文句を言うなど余計なストレスを与えない」といったアドバイスが続く。

 外交団メンバーに配られるこの冊子には、妻の仕事についての項目もある。外交官妻は夫のために自身の仕事をあきらめる覚悟をしておくべきだとあり、「妻のキャリアは大切だが、働く妻は時には犠牲になる必要がある」と書かれている。

 王宮での作法として「自分から話しかけない」、「足を組んで座らない」なども挙げられている。

 外交官の夫に対し同様の冊子が作られる予定があるかとの問いに、アルバル外相は、「本の題名を『外交官の配偶者の心得』に変える必要があるかもしれない。でもその役割を担いたいという夫は少ないと思います」

 写真は、フィリピンで行われた東南アジア諸国連合(ASEAN)外相会談後の夕食会でテーブルを囲む各国外相夫妻ら。(c)AFP/Joel NITO