【カレン州/ミャンマー 18日 AFP】ミャンマーの軍事政権は少数民族の弾圧を強めている。

 8人の幼子を抱えるカレン(Karen)族のPi Luさんは、紛争のさなかも水田に仕掛けられた地雷で夫を失ったときも、決して土地を離れることはなかった。しかし、カレン族への弾圧が強まり、村人7人が射殺、放牧地に埋められた地雷で家畜も失い、Pi Luさんはとうとう避難を余儀なくされた。「子守歌代りに銃声を聞かせるわけにはいかない」

 幼子の手を引いてジャングルをさまよい、数週間後にようやくタイ国境付近の山中にある避難キャンプにたどり着いた。そこに設けられた不衛生な医療施設で働くスタッフは医療知識も乏しく、やがて2人の子どもがマラリアに感染した。

 1年前には存在もしなかった避難キャンプに、いまでは約2500人の難民が生活している。みな数週間から数か月もの間ジャングルをさまよい、ここにたどり着いた。ヒューマン・ライツ・ウォッチ(Human Rights Watch)の調べでは、以前からタイ国境付近で避難生活をしている10万人に加え、約1年前から開始された弾圧の影響によりさらに約2万7000人が避難生活を強いられているという。

 写真は子どもをあやすPi Luさん(2006年12月30日撮影)。(c)AFP/Jack BARTON