【ジャカルタ/インドネシア 11日 AFP】捜索当局は11日、1日にスラウェシ島付近で消息を絶った民間航空会社アダム・エア(Adam Air)ボーイング(Boeing)737型機の機体の一部が発見されたと発表。1週間以上にわたり不安の中で過ごしていた乗客の家族らは、このニュースを聞いて安堵の表情を浮かべた。

■機体の一部を発見したのは地元の漁師

 3人の米国人を含む乗客96人および乗員6人を乗せた同機は1日、ジャワ(Java)島中部のスラバヤ(Surabaya)からスラウェシ(Sulawesi)島マナド(Manado)へ向けて飛行中に消息不明となっていたが、機体の一部をスラウェシ島西部沖で漁師が発見したという。
 乗客の家族の代表者6人は、機体の破片を直接見るため、Makassar市にあるHasanuddin空軍基地を訪れた。

■被害者の家族の思いは複雑

 インターネットのニュース・ポータルサイトDetikcomが伝えたところによると、乗客の家族ら数十人がスラウェシ島の主要都市Makassar市内にあるホテルに待機して、新情報が伝えられるのを待っていた。その1人であるHildaさんは、機体の一部が見つかったとのニュースを聞いて「うれしくもあり、同時に悲しくもあります」と語ったという。

 事故機に搭乗していたスチュワーデスのDinaさんの母親Rosmala Dewiさんは、ElShintaラジオ局の取材に応じて、「新たな展開があってよかったと思います。当局が総力を挙げて捜索に当たり、機体の残りの部分と搭乗者全102人の遺体を見つけてくれるようにと願っています」と述べた。

 前週、当局は連絡体制の不備から、遠方の山岳地帯で機体の残がいが見つかったとの誤報を出し、捜査は一時混乱状態に陥り、乗客の家族らの不安を募らせる結果となった。

 写真は同日、Makassar市内で記者会見を開き、発見された消息不明のアダム・エア機の水平尾翼の一部を記者団に見せる、捜索当局の責任者Bambang Karnohyudo氏(左)と航空警察官のEddy Suyanto氏(右)。(c)AFP/AGUNG SWASTIKA