【4月4日 AFP】アフガニスタン西部ファラー(Farah)で3日、同国の旧支配勢力タリバン(Taliban)が裁判所を襲撃し、当局によると少なくとも44人が死亡した。過去1年余りで起きた襲撃事件の中で最多の死者数だ。

 襲撃は裁判を受けていた反政府勢力メンバーの解放を狙ったものだったが、被告らが脱走したかどうかは今のところはっきりしていない。病院の医師によると負傷して治療を受けた者の中に被告人が1人いたという。

 襲撃は裁判所の入口で起きた大きな自動車爆弾の爆発から始まり、最後に残った襲撃者1人を治安部隊が追い詰めるまで、少なくとも7時間は続いた。裁判所を襲った武装集団は9人全員が死亡した。

 今回の襲撃事件によって、来年末までの北大西洋条約機構(NATO)軍撤退後、アフガニスタン当局が十分な治安体制をとれるかという懸念がさらに高まった。

 内務省副報道官はAFPの取材に対し、「民間人34人、兵士6人と警察官4人が死亡し、負傷者は91人で大半が民間人だった」と述べた。この死者数は、2011年12月に首都カブール(Kabul)のイスラム教シーア派寺院で80人が犠牲となった爆弾事件以来、1度の攻撃による死者としては最多。

 タリバンはウェブサイトに掲載した犯行声明で、襲撃は入念に計画されたものだったとし、判事、検察官、兵士、警官の計35人を殺害、被告13人が脱走したと主張している。(c)AFP/Mohammad Aref Karimi