【3月4日 AFP】(写真追加)パキスタンの最大都市カラチ(Karachi)にあるイスラム教シーア派住民が多い地域で3日、大型の自動車爆弾が爆発し、少なくとも45人が死亡、150人がけがをした。5月に総選挙を控えたパキスタンでは、イスラム教の宗派対立が原因とみられる暴力行為が頻発している。

 爆発が起きたのはカラチの住宅街アッバス(Abbas)地区で、5階建ての集合住宅2棟の前面が吹き飛んだ。そのうちの1棟で火災が発生、がれきの下敷きになった人もいた。近接するモスクから信者が帰路につく中発生したこの爆発により、何百もの店舗や住宅が激しく損傷し、被害にあった集合住宅のベランダも倒壊した。

 カラチに入った政府高官はAFPに対し、「少なくとも45人が死亡、150人が負傷した。しかしけが人のうち半数が重傷者であるため、死者数がさらに増える恐れもある」と話した。

 カラチでは宗派・民族・政治の対立が絶えず暴力行為に発展しており、2012年には銃撃や爆弾により2200人以上が死亡している。中でも今回の爆発はとりわけ大規模な惨事となった。

 同国議会は総選挙に向けて2週間後に解散を控えているが、人口1億8000万人のうち約20パーセントのシーア派住民に対する暴力行為が多発しており、安全性を懸念する声が高まっている。(c)AFP/Hasan Mansoor