【3月3日 AFP】国連(UN)の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長とシリア問題をめぐる国連とアラブ連盟のラクダール・ブラヒミ(Lakhdar Brahimi)合同特別代表は2日、シリア政府と反体制派の和平協議で仲介役を務める用意があるとする共同声明を発表した。

 国連によると、シリア国内の両勢力が「対話への意欲」を示したため、潘事務総長とブラヒミ特別代表がスイスのモンペルラン(Mont-Pelerin)で協議したという。

 共同声明は「7万人以上が死亡し、シリア内外で極めて多くの人が家を追われた紛争の解決に向けて国際社会が結束して対応できていないことに双方の勢力は大きな不満を表明した」としている。

 また潘事務総長とブラヒミ特別代表は、シリア政府・反体制派双方が「人命をないがしろにする傾向を強めている」ことに懸念を示し、戦争犯罪や人道に対する罪を犯した者は法の裁きを受けるべきだという姿勢を示した。

■「アサド大統領は14年大統領選に出馬」とイラン外相

 一方、イランのテヘラン(Tehran)では2日、イランのアリアクバル・サレヒ(Ali Akbar Salehi)外相がシリアのワリード・ムアレム(Walid al-Muallem)外相と行った共同記者会見の中で、シリアのバッシャール・アサド(Bashar al-Assad)大統領は来年の大統領選に出馬すると述べた。

 サレヒ外相は「アサド大統領も候補者の1人として大統領選に出馬する。シリア国民は自らの手で大統領を選ぶことになるだろう」と述べた。

 父親であるハフェズ・アサド(Hafez al-Assad)前大統領の死去を受けて2000年に大統領に就任したアサド大統領は、シリア国内の反体制派、欧米諸国、アラブ諸国からの退陣要請を拒否し続けている。(c)AFP