【2月13日 AFP】シリア人権監視団(Syrian Observatory for Human Rights)によると、シリア反体制派は12日、北部アレッポ(Aleppo)県のジャラ(Al-Jarrah)軍用空港を制圧し、ミグ(MiG)戦闘機を含む複数の軍用機を確保した。反体制派が使用可能な軍用機を確保したのは初めてという。

 一方、国連(UN)はシリアで1年11か月にわたり続く内戦状態での死者数が7万人に達しつつあると発表。シリア問題の政治的解決への希望は薄らいでいる。

 同監視団によると、反体制派による今回の空港への攻撃では、数十人のシリア軍兵士が死亡または負傷、あるいは捕虜となった。それ以外の部隊は弾薬と軍用機を残して退却したという。

 匿名を条件にAFPの取材に応じたアレッポのシリア軍関係者は、「48時間に及ぶ激しい戦闘の末に」空港が反体制派に占拠されたことを認めたが、「とても小規模な訓練用の空港で、少量の使用不能の弾薬と、長い間使われていない飛行機が数機あるだけ」として、ジャラ空港の重要性を否定した。

 また同監視団は、反体制派がアレッポ県から隣接するラッカ(Raqa)県につながる幹線道路と、同地域の空港の警備要員が駐屯する軍用基地の一部を制圧したとも伝えている。

■死者数は1か月で約1万人増加

 一方、国連のナバネセム・ピレイ(Navanethem Pillay)人権高等弁務官は、2011年3月から続く戦闘による死者数が7万人に達しつつあると発表した。わずか1か月前の発表では、死者数は6万人とされていた。

 またこの発表に先立ち、国連の潘基文(パン・キムン、Ban Ki-moon)事務総長は、シリア反体制派の統一組織「シリア国民連合(National Coalition of Forces of the Syrian Revolution)」のアフマド・モアズ・ハティブ(Ahmed Moaz al-Khatib)代表との対話の提案を「逃してはならない機会」として受け止めるよう、シリア政府に要請した。さらに潘事務総長は、国連安全保障理事会(UN Security Council)が「傍観者の立場で、行き詰まり、殺りくを黙って見ている状態をこれ以上続けてはならない」と述べている。(c)AFP